認知症とは何でしょうか??
このように聞かれると、専門家でも答えるのは難しいと思います。
脳の障害??
記憶力の低下??
認知症とは ”絆”の喪失
認知症とは、人・ものとの関係性の障害
つまり、”絆” の喪失が最も認知症の方々を苦しめている原因のひとつと私は考えています。
これはかつての千葉県の老人病院のおむつ交換の様子です。
ゴム手袋をした職員が、仕切りのない部屋で黙々とおむつ交換をしています。
(詳しくは認知症の歴史をご覧ください。)
認知症の方々は、まるでもののように扱われ、同じ人として見られていませんでした。
自分からは他人とうまく関係を築くことができず、他人からは同じかけがえのない人間として見られない”絆” の喪失は、今でも大きく残っています。
私たち・・こちら側の人
認知症の人・・あちら側の人
このような偏見が、認知症の方々を深く傷つけていると私は日々感じています。
こう言っている私も、気付かぬうちに認知症の方々を傷つけていることが多々あると思います。
書籍「ボクはやっと認知症のことがわかった」 著:長谷川和夫 より一部引用
「周囲も、何もわからなくなってしまった人間として、一括りにしないでいただきたいのです。認知症への理解はかなり進んできましたが、それでも、認知症と診断された人はあちら側の人間として扱われていると思うことがあります。こちら側の人間だと思っている人たちは、あちら側の人間はまともに話ができないとか、何をいってもわからないなどと言ったりします。認知症の人の前で、平気でそうしたことを口にし、人格を傷つけるようなことが話されている場合もあります。」
気付かぬうちにこのような偏見は私たちの中に侵入し、同じ人間であるはずの認知症の方々を”認知症患者”にしてしまいます。
これまで生きてきた軌跡は奪われ、一例の”認知症患者”が作られます。
これこそ、”絆”の喪失であると私は考えます。
認知症の定義
認知症とは、以下のように定義されています。
認知症とは、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態
~厚生労働省HPより~
認知機能の低下
これも間違いではありません。
ただ、介護をされている皆様やご本人様からすれば、このような説明はなんの助けにもなりません。
認知症の方々は
- どのようなものの見え方をしておられるのか
- どのような苦しみをかかえながら過ごされているのか
- 何を必要とされているのか
この問いの答えを皆さんと一緒にこのブログで探していけたらと思っています。
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