「さっき食べたのに‥」認知症の方が「ご飯まだ?」を繰り返すとき知っておいてほしいこと 4選

認知症の症状・対応のヒント

あなたの大切な方の介護、毎日本当にお疲れ様です。

認知症のご家族が「ご飯まだ??」と繰り返し言ってこられることはありませんか?

「ご飯まだ??」と繰り返し言われるときのポイントを4 つご紹介します。

本人の現実を受け入れる

さっきご飯を食べたのに「ご飯まだ??」と何回も何回も聞かれると

「さっき食べたでしょ!何回同じこと言うの!」

と誰でも言いたくなりますよね。

これは、私たちの認識と、認知症の方の認識が違っているからです。

  • 私たちの認識   ・・ 「ご飯はもう食べた」
  • 認知症の方の認識 ・・ 「ご飯はまだ食べていない」

「ご飯をまだ食べていない」ということが認知症のご家族にとっての現実であることをまず認めることが大切です。

そうすることで「私の気持ちをわかってもらえた」という安心感を持ってもらえます。

何度も聞く = 不安

「ご飯まだ??」だけでなく

「今何時??」

「洗濯物を取り込まなきゃ」

「仕事に行かなきゃ」

などを繰り返し言われることがあります。

  • 何度も同じことを言う
  • 机をたたく
  • トイレに何回も行く

これらは繰り返し行動と言われるもので

不安 ストレスが現れたものです。

自分の心を落ち着かせるために現実を確認しようとしていたり行動しようとしていたりしているのだと私は考えています。

繰り返し行動が見られたら、ご飯のことが問題ではなく

「不安になっているのかな??」

と考えてみてください。

少しだけ食べてもらう

ご本人の中では「まだ食べていない」ことが現実です。

そのため、説得しても解決しません。

そんな時、少しだけ食べてもらうことも有効です。

例えば

  • カロリーの低いゼリー
  • たまごボーロ
  • 小さなおにぎり

このようなものを少しだけ食べていただき

「今、ご飯の準備をしているから、もう少しだけ待ってね」

と伝えてみてはいかがでしょうか。

少し落ち着かれることがあります。

ただし、「ご飯以外に、不安の原因があるかもしれない」という見方も持っておくとよいと思います。

例えば

  • 環境    ・・ TVの音が大きすぎる 騒がしすぎるなど、ストレスになっていないか
  • かかわり  ・・ できることまでしてあげていないか 気持ちを尊重できているか
  • 役割    ・・ 人から必要とされる役割があるか

これらが原因で、繰り返し行動がおこる(本人様が苦しい状態になる)ことはよくあります。

活躍の場を

繰り返し行動不安の現れとお伝えしました。

では、どんなことをすると安心してもらえるのでしょうか。

そんなときは、集中できる作業があると落ち着きやすいです。

例えば

  • タオルたたみ
  • ぬいもの
  • 塗り絵
  • 茶わんふき
  • ゴマすり

このような難しくない集中してできる作業をすることで、余計な不安が頭から消えて落ち着くことができます。

タオルたたみや皿ふきなどは昔やっていた作業なので、認知症が進んでいても自然と体が動き、心も落ち着きやすいと思います。

このとき、ポイントが3つあります。

  • 「手伝ってくれると助かる」と本人の力を認めて頼む
  • 一緒にやること
  • 失敗していることを見つけても指摘しないこと

作業を頼む際には「手伝ってくれると助かる」と本人の力を認めて頼んでみてください。「お母さんがやってくれると早く終わるからお願いできる?」と依頼すれば、自分をまだまだ必要とされている人間だと感じることができます。

そして一緒にやることで、できていない部分をさりげなくフォローすることができますし、安心感を高めることができます。

また、どこかミスはあって当たり前で、ミスを指摘されず受け入れられる場があることが心穏やかに生活する上で必要です。認知症になれば、「また忘れている」「さっき言ったでしょ」と残りの人生全てが失敗を指摘され続ける時間になりかねません。指摘せずに済めばそれがベストです。

例えば、皿洗いで洗い残しがあっても、その場で指摘せずに後で仕上げをしたらよいと私は思います。

作業をしてもらったら

「やってくれて助かったよ。 ありがとう。」

と、感謝の言葉を添えてあげてください。

一瞬だけでも不安は消えて、笑顔が見られると思います。

人間は、誰かの役に立つ仕事をし、誰かに必要とされることで生きる気力が生まれます。

決して人の手を借り続け、何もできない人と思われ続けたい人はいません。

自信をなくしかけたあなたの家族が、小さくてもあなたの役に立ち「ありがとう」と声をかけられたならどうでしょう。

いつも寄り添っておられるあなたの「ありがとう」には、生きる希望をあたえるほどの力があると思います。

認知症になったからといって、誰からも必要とされず、手を借りるだけの人生は苦しいですよね。

小さなことでも頼られたり任されたりする活躍の場があるだけで、不安は軽くなりいきいきとした表情を取り戻される方はたくさんいらっしゃいます。

まとめ

「ご飯まだ??」を繰り返すときのポイントを4つご紹介しました。

・・今日のポイント・・

  • 本人の現実を受け入れる
  • 何度も聞く = 不安
  • 少しだけ食べてもらう
  • 活躍の場を

この記事が少しでもあなたの参考になれば嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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